コラム

メンタル不調の症状を見逃さないで。完璧主義で苦しんだ私が「まあ、いっか」で毎日を楽にできた理由

saochil

「最近、なんだかいつもと違う」「体がだるいけれど、病気というほどではない」……そんな違和感を抱えていませんか?

現代社会では、知らず知らずのうちにストレスが蓄積し、ある日突然、心が限界を迎えてしまうことがあります。メンタルヘルス不調は、決して特別なことではありません。

今回は、看護師・公認心理師の視点から、多くの方が検索し、悩まれているメンタル不調の具体的な症状を詳しく解説します。あわせて、私自身がどん底からどうやって抜け出したのか、その体験談をお伝えします。


1. メンタルヘルス不調の「サイン」と具体的な症状リスト

心の不調は、気分だけでなく「体」や「行動」に多岐にわたるサインとして現れます。「これってメンタル?」と不安になったら、以下の症状をチェックしてみてください。

① 体に現れる症状(身体症状)

自律神経の乱れにより、検査では異常がないのに「なんとなく調子が悪い」状態が続きます。

  • 睡眠のトラブル: 布団に入っても1時間以上寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めて絶望感に襲われる。
  • 痛みと違和感: 締め付けられるような頭痛、慢性的な肩こり、喉のつかえ感(ヒステリー球)、動悸や息苦しさ。
  • 消化器系の不調: 胃の痛み、繰り返す下痢や便秘、食事が砂を噛むように味気ない。
  • 感覚の過敏さ: 音や光に敏感になり、テレビの音や周囲の話し声が異常にうるさく感じる。

② 心に現れる症状(精神症状)

感情や思考のコントロールが難しくなり、脳に霧がかかったような状態(ブレインフォグ)になることがあります。

  • 意欲の低下(アネドニア): 好きだった動画や趣味が全く楽しめない。何をしても「心が動かない」。
  • 感情の不安定さ: 些細なことでイライラして家族にあたってしまう、理由もなく涙がこぼれる。
  • 思考の停滞: 文字を読んでも内容が頭に入ってこない、簡単な判断(夕飯の献立など)ができない。
  • 強い自己否定: 「自分はダメな人間だ」「周りに迷惑ばかりかけている」と自分を責め続けてしまう。

③ 行動に現れる症状

周囲から見て「いつもと違う」と思われる変化は、自分では気づきにくいSOSです。

  • 孤立と回避: 誘いを断り続け、人との関わりを断つようになる。スマホの通知を見るのが怖くなる。
  • 能率の低下: 仕事や家事の段取りが悪くなり、以前はしなかったようなミスを連発する。
  • 過剰な依存: お酒やタバコ、甘いもの、SNS、ネットショッピングがやめられなくなる。

2. 私の体験談:完璧主義と「〇〇すべき」に縛られた日々

実は、支援者として活動している私自身も、かつてはメンタル不調に苦しんだ経験があります。

学生時代の私は、まさに「完璧主義」の塊でした。

「成績は常に良くなければならない」「弱音を吐かずに、一人で完璧にやり遂げるべき」……そんな「〇〇すべき」という強い思い込み(べき思考)で自分を縛り付けていたのです。

自分で自分に猛烈なプレッシャーをかけ、少しでも理想から外れると激しく自分を責める日々。常に緊張状態で、心身ともに休まる暇がなく、本当に苦しい毎日を過ごしていました。当時の私は、自分の心のSOSを無視して、ただ「頑張ること」で解決しようとしていたのです。


3. 心を救ったのは「まあ、いっか。」の魔法

そんな暗闇の中にいた私が、今、看護師・公認心理師として毎日をとても楽に過ごせている理由。それは、自分を縛り付けていた「完璧」という鎧を脱ぎ捨て、ある言葉を自分に許可したからです。

それは、「まあ、いっか。」という一言です。

かつての私なら許せなかった「できない自分」や「予定通りにいかない日」に対しても、「まあ、いっか。今日はこれで十分」「まあ、いっか。明日やればいい」と思えるようになりました。

100点を目指して壊れるよりも、60点で笑っている方が、自分にとっても周りにとってもずっと幸せだと気づいたのです。


4. 知っておきたい「うつ病」と「適応障害」の違い

メンタル不調の代表的なものに「うつ病」と「適応障害」があります。これらは混同されやすいですが、アプローチが異なります。

特徴適応障害うつ病
主な原因職場や家庭など、特定のストレス因子が明確原因が複雑、または不明確なことも多い
気分の変化原因から離れると、一時的に気分が晴れるどんな状況でも気分が晴れず、喜びを感じない
主な対処環境の調整(原因を取り除く)が優先休養・薬物療法・心理療法が基本

特に春などの季節の変わり目は、寒暖差による自律神経の乱れに加え、環境変化が重なるため、これらの症状が出やすい時期です。


5. 専門家を頼るタイミング

自分一人で解決しようとする必要はありません。かつての私のように追い詰められる前に、プロの力を借りてください。

  • 心療内科・精神科: 薬の力を借りて、まずは脳を休ませ、睡眠や食欲を回復させます。
  • カウンセリング: 公認心理師などの専門家と一緒に、あなたを苦しめている「考え方の癖(べき思考など)」をゆっくり紐解いていきます。

まとめ:心を大切にすることは、自分を大切にすること

メンタル不調の症状は、あなたの体が「少し休んで」と送ってくれている愛のあるメッセージです。

完璧じゃなくていい。「〇〇すべき」じゃなくていい。

まずは今日、私と一緒に「まあ、いっか。」とつぶやいて、深く深呼吸をしてみませんか?

ABOUT ME
さおちる
さおちる
ナース
はじめまして。 現役ナースで、公認心理師の「さおちる」です。 誰にも言えない「こころの不調」を、一人で抱えていませんか? 私は12年間、看護師としてたくさんの心と体に向き合ってきました。 お薬を飲む前に「カウンセリングで自分と向き合う時間」が、回復への大きな力になります。 こころの不調は、誰にでも起こりうること。特別なことではありません。 このサイトでは、看護師と公認心理師、2つの視点から、あなたの「立ち直る力」を引き出すお手伝いをします。 認知行動療法をベースに、具体的な予防法やケアのヒントをお伝えしていきます。 もう一人で悩まないでください。 ここが、あなたの心を軽くする、最初のステップになることを願っています。
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