【完全版】男女の更年期障害ガイド:ホットフラッシュ・ED・だるさ…何科に行くべき?精神疾患との見分け方を看護師・心理師が解説
「最近、理由もなくイライラする」「体がだるくてやる気が出ない……」
そんな不調を感じたとき、まず頭に浮かぶのが「更年期」という言葉かもしれません。
かつては女性特有のものと思われがちだった更年期障害ですが、実は男性にも起こる共通のライフイベントです。この記事では、精神科の現場で多くの患者さんと向き合ってきた看護師・公認心理師としての経験を交えながら、男女の更年期の違いから、間違いやすい「精神疾患との見分け方」まで詳しく解説します。
1. 【現場の視点】「うつ病」と診断されたその不調、実は更年期かも?
私はこれまで、精神科救急などの現場で多くの「心の不調」と向き合ってきました。そこで何度も目にしてきたのが、更年期障害と精神疾患(うつ病など)の見極めの難しさです。
現場では、このような切実なケースが少なくありません。
- 誤った診断による悪化:本来は更年期によるホルモンバランスの乱れが原因なのに、「うつ病」と診断され、抗うつ薬のみが処方されるケース。
- 薬の副作用というリスク:体質に合わない抗うつ薬を内服した結果、副作用でさらに倦怠感が強まったり、吐き気が出たりして、状態がさらに悪化してしまうことがあります。
お薬は大切な治療の柱ですが、原因を見誤ると時に「悪」となってしまうことさえあります。だからこそ、表面的な精神症状だけで判断せず、「ホルモンの影響ではないか?」という視点を持つことが、適切なケアへの第一歩になります。
2. そもそも「更年期」とは?男女で何が違うの?
更年期とは、加齢に伴い性ホルモンの分泌が変化し、心身にさまざまな影響が現れる時期のことです。
女性の更年期:閉経前後の10年間
女性の場合、閉経(平均50〜51歳)をはさんだ前後10年間(一般的に45歳〜55歳頃)を指します。エストロゲンが急激に減少することで、自律神経のコントロールが効きにくくなります。
男性の更年期(LOH症候群):年齢を問わず起こる
男性の場合は、テストステロンの低下が原因です。
- 時期: 20代をピークに徐々に減るため、30代で症状が出る人もいれば、70代で悩む人もいます。
- 特徴: 女性のように終わりがはっきりせず、生活習慣の影響も受けやすいため、対策をしないと長引く傾向があります。
3. 【セルフチェック】まずは自分の今の状態を知ろう
専門的な指標(SMI指数やAMSスコア)をベースにした、簡易チェック表です。当てはまる項目を数えてみてください。
女性向け:更年期指数(SMI)簡易チェック
| 症状の内容 | チェック(点数) |
| 顔がほてる、のぼせる | 10 |
| 汗をかきやすい | 10 |
| 腰痛、肩こり、手足の痛み | 7 |
| 疲れやすい(倦怠感) | 7 |
| イライラする、怒りっぽい | 5 |
| 寝つきが悪い、眠りが浅い | 5 |
| くよくよする、憂鬱になる | 5 |
| 合計点数 | / 50点中 |
| ※合計25点以上の場合は、一度婦人科への相談を検討しましょう。 |
男性向け:男性更年期(AMS)簡易チェック
| 症状の内容 | チェック(点数) |
| 体力の衰えを感じる(疲れやすい) | 5 |
| 性欲の低下、朝立ちの減少 | 5 |
| 筋力の低下を感じる | 3 |
| イライラしやすく、怒りっぽい | 3 |
| 不安感、パニックになりやすい | 3 |
| 睡眠の悩み(不眠、日中の眠気) | 3 |
| 仕事のやる気が出ない(無気力) | 3 |
| 合計点数 | / 25点中 |
| ※合計12点以上の場合は、泌尿器科・メンズヘルス外来への相談を推奨します。 |
4. 症状別・何科に行けばいい?受診ガイド
「どこに行けばいいかわからない」という方は、以下の表を参考にしてください。
| 困っている症状 | おすすめの受診先 | 備考 |
| 女性の更年期症状全般 | 婦人科・レディースクリニック | ホルモン補充療法(HRT)の相談 |
| 男性の不調・性機能障害 | 泌尿器科・メンズヘルス外来 | テストステロン値の検査 |
| 強い不安、落ち込み、不眠 | 心療内科・精神科 | まず血液検査でホルモン値を調べておくとスムーズです |

まとめ:自分の体の「変化」を正しく受け止めるために
更年期は特別な病気ではなく、すべての人に訪れる自然な変化です。しかし、その過程で心や体が悲鳴をあげているなら、それは決して「年のせい」と我慢するべきことではありません。
精神科の現場を経験してきたからこそお伝えしたいのは、「精神科のお薬だけに頼る前に、まずは自分の体で何が起きているのか(ホルモン値など)を正しく知ること」の大切さです。
このブログが、あなたが自分を大切にするための第一歩になれば幸いです。
