【公認心理師が本音で語る】精神科の薬は飲むべき?経験から見えた「4つのリアル」と後悔しない選び方
「精神科の薬って、副作用が怖いし、一度飲んだら最後な気がして不安…」
こんにちは、さおちるです。私は看護師として精神科救急の現場を歩み、現在は公認心理師としてメンタルヘルス支援を行っています。
現場で数え切れないほどの「お薬を飲む人、飲まない人」を見てきた私ですが、実は積極的にお薬を勧める立場ではありません。
お薬はあくまで回復のための「杖」や「消火器」です。今回は、私が実際に立ち会った4つのケースを通して、お薬との本当の付き合い方をお話しします。
現場で見た「お薬と回復」の4つのリアル
病名や背景は人それぞれですが、お薬への反応もまた、驚くほど千差万別です。
① 一時的な内服で、劇的に回復したケース
強い不安と不眠でボロボロになり、カウンセリングで話す気力さえなかった方がいました。「まずは眠れるようになるまで」と期間限定で内服を始めたところ、脳の興奮が落ち着き、わずか数週間で表情に明るさが戻りました。
「お薬で心の余白を作ったことで、根本的な問題に向き合えるようになった」好例です。
② 副作用が出て、逆に症状が悪化したケース
一方で、お薬が体に合わず、強い吐き気や激しい眠気に襲われてしまった方もいます。日常生活がままならなくなり、「治したいのに、薬のせいで余計につらい」という悪循環に陥ってしまいました。
「薬は万能ではない。合わない場合は無理をせず、調整が必要である」ことを痛感した事例です。
③ 内服を拒否して、症状が深刻化したケース
「自分の力だけで治したい」とお薬を強く拒まれた結果、脳のバランスが崩れ続け、幻覚や妄想、あるいは深い自責の念から抜け出せなくなってしまった方もいます。
「火事が大きくなりすぎると、消火器(お薬)なしで鎮火させるのは非常に困難になる」という現実もあります。
④ お薬なしでも、環境を整えて良くなったケース
軽度のうつ状態や適応障害の方で、お薬を使わずに「休職して環境を変える」「カウンセリングで思考を整理する」だけで、すっかり元気に回復された方もたくさんいます。
「すべての不調にお薬が必要なわけではない」というのもまた、事実です。

結局、一番大切なのは「信頼できる先生」に出会うこと
4つのケースを見てわかる通り、お薬は「正解」ではありません。一つの「手段」に過ぎないのです。
私が多くの現場を見てきて、最終的にたどり着いた結論はこれです。
「どの薬を飲むか」よりも、「どの先生(医師)と一緒に治療を進めるか」が一番重要。
- 副作用がつらい時、すぐに「つらい」と言えるか?
- 「薬を減らしたい」「今は飲みたくない」という気持ちを尊重してくれるか?
- 薬のメリットだけでなく、デメリットも隠さず説明してくれるか?
そんな風にあなたが信頼を寄せられる先生と出会い、二人三脚で治療方針を決めていくこと。それこそが、回復への一番の近道になります。

精神科で使われる主な薬の種類(参考)
医師と相談する際の予備知識として、代表的な種類をまとめました。
| 分類 | 役割のイメージ | 代表的なお薬 |
| 抗うつ薬 | 脳のエネルギー不足を補う | レクサプロ、サインバルタ |
| 抗不安薬 | 高ぶった神経を鎮める | ワイパックス、デパス |
| 睡眠薬 | 眠りのリズムを整える | デエビゴ、マイスリー |
| 抗精神病薬 | 激しい不安や幻覚を抑える | エビリファイ、ジプレキサ |
| 気分安定薬 | 気分の激しい波を穏やかにする | リーマス、デパケン |
| 漢方薬 | 体質から穏やかに整える | 半夏厚朴湯、抑肝散 |

まとめ:あなたの「納得感」を大切に
お薬を飲むことは「負け」ではありません。逆に、飲みたくないと思う気持ちも「わがまま」ではありません。
一番大切なのは、あなたが「この先生と一緒に、この方法で治していこう」と納得できていることです。
もし今、お薬のことで一人で悩んでいるなら、まずはその気持ちを吐き出してみませんか?看護師・公認心理師の視点から、あなたが納得できる選択ができるよう、お手伝いさせていただきます。
